「それ、意味あるのですか」
いつからか、
そんな言葉が増えました。
効率。
収益。
再現性。
タイパ。
正解。
確かに、
生きるためには必要です。
AIと共生する時代になれば、
なおさらです。
最適化。
自動化。
分析。
数字。
気づけば、
「意味があるか」が、
最初に来るようになりました。
ですが。
少し、
内観してみてください。
意味だけを追い始めると、
人は少しずつ、
目的を失っていきます。
あるマンガの勇者が、
こんなことを言っていました。
「くだらなかったって笑い飛ばせるような楽しい旅がしたい」
そして、
「気が付いたら世界を救っていたような旅がしたい」
初めて読んだ時、
少し不思議な言葉だと思いました。
世界を救うことを、
最初の目的にしていない。
仲間。
寄り道。
景色。
小さな約束。
笑った時間。
そうしたものの先に、
結果として、
世界が救われていた。
この順番なのです。
今の時代に、
その勇者がいたら、
どう思うのでしょう。
最初から、
結果だけを見る。
数字。
評価。
伸び。
意味。
すると、
旅そのものが消えていく。
何が好きだったのか。
なぜ始めたのか。
それさえ、
見えなくなることがあります。
SNSでも、
同じことを感じる時があります。
「伸びる投稿」を考え続ける。
すると、
だんだん、
自分の言葉より、
“正解っぽい言葉”が増えていく。
YouTubeもそうです。
再生数。
維持率。
クリック率。
もちろん大切です。
ですが、
気づけば、
「好きだったから作っていた」
その感覚が、
少しずつ薄れていく。
ただ。
何となく、
仲間と一日を過ごしていた。
くだらない話をしていた。
遠回りした。
寄り道した。
でも、
あとから思い返すと、
そういう時間ばかりが、
妙に残っていたりします。

江戸時代の臨済宗の禅僧・白隠禅師は、
「動中の工夫は静中に勝ること百千億倍す」
という言葉を残しました。
静かに考えること。
立ち止まること。
それも大切です。
ですが、
迷いながらでも動く。
寄り道しながら進む。
動きながら、
少しずつ整えていく。
その旅の中でしか、
見えない景色もある。
私は、
そういう意味にも感じています。
そして、
対比している
「静中の工夫」については、
いずれまた、
お話しようと思います。
意味あるのか。
何になるのか。
稼げるのか。
ロマンなど、
ムダだと言われます。
誰からも、
理解されないこともあるでしょう。
ですが。
理由は説明できなくても、
心が動いたもの。
なぜか忘れられないもの。
それが、
その人のロマンなのだと思います。
だから私は、
否定する人より、
「それ、いいですね」
と笑ってくれる人を、
大切にしたい。
そして時々、
あの勇者の言葉を思い出します。
その言葉に、
もう一度、
勇気をもらう。
誰かの心に、
小さな火を残せた人。
きっと、
そういう人のことを、
勇者と呼ぶのでしょう。

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